配当所得と上場株式等の譲渡損失との損益通算(2)
確定申告の手続きを行うと、「配当所得(配当金)」と「上場株式等の譲渡損失」を損益通算することができます(以下、「配当所得と上場株式等の譲渡損失との損益通算」を「損益通算」と短縮します)。このページでは、損益通算の内容及び具体的な手続きについて紹介します。
配当所得については、先に「配当所得を申告しよう」及び「配当所得と上場株式等の譲渡損失との損益通算(1)」をご覧ください。
配当金受取方法とは?
私達が取引する日本株の場合、配当金を受け取る方法は以下の4つがあります。
- 1、株式数比例配分方式
- 2、登録配当金受領口座方式
- 3、個別銘柄指定方式
- 4、郵便振替支払通知書・配当金領収書による方法
損益通算を行うためには、「1、株式数比例配分方式」を選択することが必要です。(※ネット証券で取引する初心者の場合、口座開設時に4つのどれかを選択して申し込んでいます)。
ネット証券にログインして、現在の口座状況を確認してください。
株式数比例配分方式とは?
株式数比例配分方式では、配当金を証券会社の口座で受け取ります。例えば、上記のサンプルでは、ある企業の株を、A証券100株・B証券200株・C証券300株の計600株保有しています。
配当金が1株10円の場合
・A証券100株・・・1,000円
・B証券200株・・・2,000円
・C証券300株・・・3,000円
仮に、ある企業の配当金が1株10円だとすると、A証券には1,000円、B証券には2,000円、C証券には3,000円がそれぞれ振り込まれます。損益通算では、A証券の譲渡損失とA証券の配当金1,000円が相殺されることになります。B証券・C証券も同様です。
登録配当金受領口座方式とは?
登録配当金受領口座方式では、投資家があらかじめ指定していた金融機関へ、全銘柄の配当金が振り込まれます。上記サンプルでは、先ほどと同じく、ある企業の株を、A証券100株・B証券200株・C証券300株の計600株保有しています。
配当金が1株10円の場合
・A証券100株・・・1,000円
・B証券200株・・・2,000円
・C証券300株・・・3,000円
・合計600株・・・6,000円
仮に、配当金が1株10円だとすると、計600株分の配当金合計6,000円が振り込まれます。もちろん、ここから源泉徴収されるので、4,800円(※税率20%として計算)が指定口座へ振り込まれます。
これは、A・B・C証券の全銘柄だけでなく、D証券・E証券・・・の全銘柄の配当金も同一の指定口座へ振り込まれます。
個別銘柄指定方式とは?
以前から選択可能な方法です。各企業・各銘柄ごとに金融機関を指定して受け取ります。
郵便振替支払通知書・配当金領収証による方法とは?
以前から選択可能な方法です。各企業から郵便振替支払い通知書または配当金領収証等を受取り、郵便局・金融機関等で配当金を受け取ります。
配当金受取方法の変更
株式数比例配分方式を選択する
損益通算を行いますから、配当金受取方法の変更では「株式数比例配分方式」を選択します。複数の証券会社に口座を持っていれば、そのうち1社に手続きすれば全ての証券会社の手続きが完了します。
各証券会社ともに、「口座管理」または「口座情報」の項目を見れば、現在の配当金受取方法が載っています。株式数比例配分方式でなければ、こちらを選択してください。
SBI証券手続きの流れ
「口座管理」→「お客さま情報 設定・変更」→「お取引関連・口座情報」→「配当金受領サービス」→「変更」
楽天証券手続きの流れ
「マイメニュー」→「お客様情報の設定・変更」→「お客様情報一覧」→「申込が必要なお取引」→「国内株式」→「配当金受取方法」→「変更」
マネックス証券手続きの流れ
「保有残高・口座管理」→「口座情報」→「お客様情報 確認・変更」→「暗証番号入力」→「配当金等振込情報」→「変更」
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今から個人型確定拠出年金(イデコ)を始めると、来年の確定申告で税金が戻ってくる可能性があります。
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