NISA(ニーサ)の賢い使い方(1)
2014年1月から始まったNISA(ニーサ)。少額投資非課税制度は、上手に活用するにはちょっとしたコツが必要です。
このページでは、管理人が考える「NISAの賢い使い方と活用のポイント」を紹介します。
NISA(ニーサ)の使い方と活用ポイント
1、特定口座(一般口座)で行っていた投資の延長と理解する。
NISA(ニーサ)で金融商品を取引するには、さまざまな制約があります。しかし、その制約にこだわりすぎると危険です。NISAのために特別な投資を行う必要はありません。逆に、特別な投資を行うと、負ける可能性が高くなります。
特定口座(一般口座)で行っていた投資を、NISAでもそのまま続けます。特定口座で日本株を取引していればNISAでも日本株を、特定口座で投資信託を取引していればNISAでも投資信託を、それぞれ行ってください。
ただし、NISAは年120万円までの枠が決められています。一部銘柄には、最低投資金額が120万円を超えるものも含まれます。120万円超の金融商品は、投資対象となりません。資金の上限がない特定口座(一般口座)と異なりますので、ご注意ください。
2、金融機関は、投資したい金融商品で選ぶ。
前記1を踏まえて、金融機関を選びます。もし、日本株を取引したい場合は、日本株を取り扱っている金融機関、具体的には証券会社をご選択ください。
現在、一部ネット証券では、売買手数料が無料になるところがあります。手数料が無料になると、その分だけ利益が増えるのでオススメです。
3、NISA(ニーサ)を使えば、勝率がアップするわけではない。
金融機関がPR合戦を繰り広げているNISAですが、この口座を持つことよって、勝率が上がるわけではありません。
また、特定口座(一般口座)と異なり、利益確定をすると年120万円の枠が減少するため、何度も売買を繰り返すことはできません。
4、NISA(ニーサ)の口座は、儲けたときの手取りが多くなる!
口座 | NISA(ニーサ) | 特定口座(一般口座) |
---|---|---|
税率 | 非課税 | 20% |
特定口座(一般口座)の税率が20%であるため、NISAの非課税が非常にありがたいです。
たとえば、100万円が150万円に殖えたときをシミュレーションしてみましょう(※売買手数料省略)。
特定口座(一般口座)では、利益の50万円に20%の税金が課せられます。
50万円×20%=10万円。150万円-10万円=140万円。
となり、特定口座では、手取りが10万円少なくなります。NISAは150万円がそのまま手に入りますので、この10万円の差は大きいです。
このシミュレーションでは利益を50万円と控えめに見積もっていますが、これが200万円、300万円、500万円・・・と値上がりする金融商品を保有していれば、その差はもっと大きくなります。
5、損益通算ができないことをデメリットと考えない
NISAは、特定口座(一般口座)と異なり、口座内、複数口座間で損益通算ができません。そのため、NISAの口座では、できるだけ損をしにくい金融商品(ローリスク・ローリターン)を選びがちです。
しかし、それは間違いです。NISAは、値上がりが大きい金融商品を選ぶほど、トクをします。
たとえば、10%値上がりする銘柄Aと100%値上がりする銘柄Bをそれぞれ100万円ずつ購入したとします。銘柄Aと銘柄Bを取引する口座が異なるだけで、手取りにこれだけの差が生じます(※売買手数料省略)。
NISA:銘柄A(10%上昇)、特定口座:銘柄B(100%上昇)の場合
口座 | NISA(ニーサ) | 特定口座(一般口座) |
---|---|---|
購入 | 銘柄A:100万円 | 銘柄B:100万円 |
売却 | 銘柄A:110万円 | 銘柄B:200万円 |
税金 | 銘柄A:非課税 | 銘柄B:20万円 |
手取り | 110万円+180万円=290万円 |
銘柄Aの儲け10万円は非課税ですので、Aの手取りは110万円、銘柄Bの儲け100万円は20%課税されますので、Bの手取りは180万円。合わせて290万円となります。
NISA:銘柄B(100%上昇)、特定口座:銘柄A(10%上昇)の場合
口座 | NISA(ニーサ) | 特定口座(一般口座) |
---|---|---|
購入 | 銘柄B:100万円 | 銘柄A:100万円 |
売却 | 銘柄B:200万円 | 銘柄A:110万円 |
税金 | 銘柄B:非課税 | 銘柄A:2万円 |
手取り | 200万円+108万円=308万円 |
銘柄Bの儲け100万円は非課税ですので、Bの手取りは200万円、銘柄Aの儲け10万円は20%課税されますので、Bの手取りは108万円。合わせて308万円となります。
前者と後者を比べると、手取りに18万円の差が出ました。値上がりする金融商品をNISAに組み入れることが、いかに大事かわかります。
ですから、できるだけ値上がりしやすい、(ハイリスク)ハイリターンの金融商品をNISAで購入してください。
なお、損益通算の詳細については、
をご覧ください。