先人に学ぶNISA(ニーサ)活用法2014年版
2014年から始まって、もうすぐ1年になる少額投資非課税制度、NISA(ニーサ)。みなさんはNISA口座でどんな金融商品を購入しましたか? もしかすると、これから本格的に取引しようと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
そこで、このページでは、すでにNISA口座を開設し、取引を行った個人投資家の投資履歴(SBI証券ランキング)を使って、効果的なNISA活用法および投資のヒントを探してみます。
個人投資家はNISA口座でどのように購入したのか?
(1)東証1部上場の有名企業を手堅く投資する
以下の一覧は、日本株保有残高トップ10銘柄です(2014年12月19日)。
銘柄 | コード | 1/6 始値 |
12/25 終値 |
損益 |
---|---|---|---|---|
みずほフィナンシャルグループ | 8411 | 227 | 202.3 | -24.7 |
武田薬品工業 | 4502 | 4,820 | 5,057 | +237 |
イオン | 8267 | 1,423 | 1,189.5 | -233.5 |
キヤノン | 7751 | 3,320 | 4,026 | +706 |
三井物産 | 8031 | 1,464 | 1,610.5 | +146.5 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 8306 | 689 | 670.9 | -18.1 |
トヨタ自動車 | 7203 | 6,360 | 7,611 | +1251 |
住友商事 | 8053 | 1,320 | 1,230.5 | -89.5 |
三菱商事 | 8058 | 2,016 | 2,206.5 | +190.5 |
ANAホールディングス | 9202 | 211 | 301.6 | +90.6 |
東証1部上場、さらには日経平均採用銘柄がランキングを占めています。個人投資家の多くが、超有名で手堅い企業(銘柄)をNISA口座で選びました。
2014年も株式市場全体が好調だったことから、多くの銘柄が含み益になっています。利益確定ができる数年後には、さらに利益が増えることを期待しています。
(2)株主優待よりも高配当利回り銘柄を選ぶ
「株主優待はNISA口座を使うメリットが小さい」という考え方が浸透してきました。優待はもともと非課税であるため、NISA口座は異なる銘柄を買いたいです。
一方、配当利回りの高い銘柄は、配当金にかかる税金が非課税になります。安定的に配当金を出してくれる企業(銘柄)をNISA口座で購入すれば、メリットは大きいです。
SBI証券でも、高配当利回りの銘柄がランキングに入っていました。
(3)低位株・超低位株をポートフォリオに組み入れる
こちらは、配当金狙いの投資と異なり、値上がり益重視の投資です。2014年は株価が1ケタ・2ケタの銘柄が積極的に買われました。
利益率を高めるにはNISA口座を使うとメリットが大きいため、ハイリスク・ハイリターンの銘柄ほどNISA口座を使う傾向が出ています。
また、2014年は倒産企業が1社もないため(12月25日現在)、低位株・超低位株を後押しする結果になりました。
(4)材料株・テーマ株で短期投資を行う
一時的に注目される企業(銘柄)に対して、買い注文が集まる材料株・テーマ株についても、NISA口座のランキングに入っていました。
材料株・テーマ株は年単位で上昇が長続きするものではないため、株価が上昇すれば、こまめに利益確定することが求められます。
短期投資家もNISA口座を積極的に活用していることが裏付けられました。
(5)業績不振・不祥事企業の回復を待つ
短期間での利益を求めないNISA口座では、一時的な業績不振の企業、不祥事企業が買われました。
特に、逆張り投資を好む個人投資家とNISA口座は相性が良く、数年後に芽が出る(利益が出る・業績が回復する)企業に資金が向かいました。
成功すれば、リターン・リバーサル&非課税のダブルの効果が得られます。
まとめ
2014年の投資傾向がわかったことにより、「NISA口座で、どの銘柄を買うべきか?」という指標ができあがったと思います。
2015年以降も、この傾向が劇的に変化することはありません。しかし、NISA口座に適した銘柄、適さない銘柄の選別が、さらにはっきりするでしょう。
NISA口座に組み入れる銘柄を上手に選び、証券口座全体の収益を最大化させていただきたいと思います。