特定口座と一般口座の確定申告

特定口座と一般口座の両方の口座を保有する方が行う確定申告の方法です。

証券会社で初めて口座開設をしたときは「一般口座」を選択したものの、途中で特定口座に切り替えた場合、特定口座はA証券、一般口座はB証券と使い分けている場合など、特定口座と一般口座が混在するケースが見られます。

この機会に、両方の口座をまとめて申告する手続きを覚えておきましょう。

株の確定申告を行う前に確認しておくべきこと

1、全ての証券会社の取引報告書(売買履歴)を手に入れる。

一般口座の確定申告をご覧ください。

2、取引報告書(売買履歴)を使って、一覧表を作成。証券会社ごとに損益を計算する。

一般口座の確定申告をご覧ください。

3、全ての証券会社の特定口座年間取引報告書を手に入れる。

特定口座の確定申告をご覧ください。

一般口座で行った取引の損益を計算し、特定口座で行った取引を把握するために特定口座年間取引報告書を用意します。

特定口座の確定申告と一般口座の確定申告をまとめて行うと言っても、それぞれ単独で行う作業を合わせるだけです。それほど難しくありません。


以前どちらかの手続きを行っていれば、途中で「つまづく」ことなく進めることができるでしょう。

株の確定申告の手続き

1、株の申告のために用意するもの

取引報告書(売買履歴)

一般口座の確定申告をご覧ください。

特定口座年間取引報告書

昨年1年間の合計金額が損益と共に記載されています。証券会社の利用が1社のみであれば、この書類を「所得税の確定申告書」に添付することによって、下記「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」に代えることが可能です。

しかし、今回は特定口座と一般口座の両方の口座を保有する方の場合ですので上記のケースには該当しません。取引報告書(売買履歴)と特定口座年間取引報告書の数字(金額)を「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」へ記入することになります。

所得税の確定申告書B(第一表・第二表・第三表)

所得税の確定申告書B第一表所得税の確定申告書B第二表
所得税の確定申告書B第三表

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面・2面)

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書1面株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書2面

この書類はどれも税務署でもらえます。プリンタをお持ちであれば、国税庁のサイトからでも可能です(リンクをクリックしてください)。

2、取引報告書(売買履歴)及び特定口座年間取引報告書の数字を計算明細書へ記入する。

例えば、B証券(一般口座)で行った上場株A食品の取引報告書(売買履歴)であれば、このようになります。

年間取引報告書サンプル
購入 銘柄 株数 株価 購入金額 売買

手数料
2月3日 A食品 1,000株 100円 10万円 1,000円
売却 銘柄 株数 株価 売却金額 売買

手数料
3月2日 A食品 1,000株 200円 20万円 2,000円

※購入・売却共に同じ年に行われました(B証券本店)。

計算明細書 金額
収入

金額
譲渡による収入金額 20万円
小計(1+2) 20万円
必要

経費
取得費(取得価額)※1 10万1000円
譲渡のための委託手数料 2,000円
小計(4~6) 10万3,000円
差引金額(3-7-8) 9万7000円
所得金額(9-10) 9万7000円
繰越控除後の所得金額 9万7000円

※1 購入時にかかった売買手数料1,000円を購入金額に加算し、「取得費(取得価額)」の項目に記入します。「譲渡のための委託手数料」に加算して1,000円(購入時の手数料)+2,000円(売却時の手数料)=「3,000円」としないでください。

特定口座年間取引報告書サンプル

次に、C証券会社(特定口座・・源泉徴収なし)で次のような状況であったとします。

損益 特定口座の状況
C証券 20万円の利益 源泉徴収なし
(簡易口座)

この場合、C証券会社では、20万円の利益に対する税金4万円を納付することになります。


特定口座年間取引報告書に記載されているC証券の金額は以下の通りです。

特定口座年間取引報告書(単位・・万円) 株式等に係る譲渡所得
等の金額の計算明細書
 証券会社 C
収入
金額
30 譲渡による収入金額


小計(1+2)
取得
費等
10 取得費(取得価額)


小計(4から6までの計)
差引
金額
20 差引金額(3-7-8)
所得
金額
20 所得金額(9-10)


繰越控除後の所得金額

(11-12)

B証券会社で行った取引報告書から作成した金額とC証券会社から手に入れた特定口座年間取引報告書の金額をそれぞれの項目で足します。

計算明細書 金額
収入

金額
譲渡による収入金額 50万円
小計(1+2) 50万円
必要

経費
取得費(取得価額) 20万1000円
譲渡のための委託手数料 2,000円
小計(4~6) 20万3000円
差引金額(3-7-8) 29万7000円
所得金額(9-10) 29万7000円
繰越控除後の所得金額 29万7000円

各項目の数字を「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」へ記入します。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の記入例(1面)

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書記入例(1面)

A証券とB証券の金額を合計して記入すると、↑のような計算明細書になります。

「収入金額」の中にある「小計(1+2)」の金額「50万円」は申告書第三表「ツ」へ、「所得金額(9-10)」と「繰越控除後の所得金額(11-12)」の金額「29万7000円」は申告書第三表「65」と「73」へ、それぞれ転記します。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の記入例(2面)

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書記入例(2面)

こちらは計算明細書の2面(上部)です。特定口座で取引した分の詳細を書きます。

「区分」には、C証券会社が簡易口座にマルを入れ、「取引先(金融商品取引業者等)」には、C証券会社本店と記入、マルを入れます。

「譲渡の対価の額(収入金額)」「取得費及び譲渡に要した費用の額等」「差引金額(譲渡所得等の金額)」の各項目を記入します。

C証券の金額を「合計」の項目に入力します。

株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書記入例(2面)

こちらは計算明細書の2面(下部)です。一般口座で取引した分の詳細を書きます。

「区分」には「上場株式等」にマルを入れ、「数量」「譲渡先(金融商品取引業者等)の所在地・名称等(証券会社の名前及び本・支店名)」「譲渡による収入金額(売却株価×株数)」の各項目を記入します。

3、計算明細書の金額を申告書第三表へ転記する。

所得税の確定申告書第三表記入例

所得税の確定申告書第三表記入例
所得税の確定申告書第三表記入例

最後に、先ほどの計算明細書の金額を、申告書第三表へ転記します。あとは申告書第一表・第二表及び第三表の残りを完成させて提出してください。

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